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火曜日, 7月 7, 2020
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テクノロジーとスポーツを繋ぐKadho Inc. – President 菅 保人さん

今回は、ロサンゼルスにてUS在住の日系一世で、現在Kadho Inc. のKadho Sports Presidentである菅 保人(Yasuto Suga)さんにお会いし、経歴や、日本とUSの仕事の違い、USスタートアップの状況、今後のテクノロジーなどリラックスした雰囲気の中、たくさんの有用な情報を聞かせて頂きました。 -菅さんについて、また会社のサービスについて教えてください。 菅 保人 です。現在39歳、日本生まれアメリカ育ちです。生後半年位からアメリカで生活していますので、ほとんどアメリカ人みたいなものです。 バックグラウンドとしては、20年くらい前からデザイン、Flashのアニメーションを始め、その後はモーショングラフィックス、アフターテクトレス、3Dのグラフィック系に入っていきました。 その後2008年に日本に移り、従弟2人と一緒に株式会社Ray of Light を設立しました。ウェブサイト、CM、グラフィックアニメーション等を作成し、創業から2年で社員は5人に増え、順調だったのですが、その頃、知人がゲーム会社を始めるので、一緒にやらないかという誘いが来ました。 当時、まだ小さかったモバゲー(DeNA)、グリーが出てきて、これからモバイルゲーム業界が大きく成長していくという時期だったので、そちらにビジネスチャンスを感じ、そこで働くことにしました。 しかしゲーム業界というのは、かなり重労働でした。売れるゲームはすごく売れるのですが、リスクもとても大きいです。実はゲームの作成はとても費用がかかるんですよね。多数のプログラマーも必要ですし、期間も最低でも半年以上はかかります。さらに、ゲーム自体が完成してからも、豊富な広告費がないと売れるのは難しい。加えて、モバイルゲームは、9割の人はお金を使わずにプレイするのが現状です。すなわち2~5%の課金対象の人からたくさんのお金をもらわなければ、利益がでないんですよね。コストが払えない、ということもしばしばあります。 そこで3年くらい在籍後、自分には向いていないと判断し、退職を決めました。 今後をどうするか考えた時に、その時点で約6年、日本に在住し、いい所もたくさん体験しましたが、テクノロジーの古さ、生活や会社内でのルールや、コミュニケーション面等でのスピードの遅さ等に不便も感じてきていたことと、今から日本で新しいことを始めると最低でも5年は日本に残らなければならないということで、アメリカに戻ることを決めました。 その後、1年充電期間を経て、2009年、現在のco-founderである2名に出会いました。ゲーム会社の起業を考えている人だと思って会ったのですが、そうではなく、彼らはPHP(Hypertext Pre-processor)ということでした。日本語で上手く説明できませんが、ニューロサイエンティスト、いわゆる感情やサイコロジーではなく、脳のどの部分が何をするかという、脳の機能についての脳科学の分野です。彼らはニューロサイエンスを利用し、他言語を話すことができる脳をプログラミングするテクノロジーの開発を考えていました。 一般的に子供は、どの国に行っても2年以内でその国の言語を話すと言われています。それはなぜなのか?どうして大人になってから何年勉強しても話せないのか?ということをその2人が脳科学的に調査をしました。その結果「その言語が持つ音」を7歳までに聞いていないから、ということがわかったそうです。 あらゆる言語には、その言語しか持たない音、というのがあるんです。たとえば英語の「V」や「R」が日本語にはないように。このような音が7歳までに脳にインプットされていれば、たとえ大人になってからでも、聞いてない人の10倍速い言語習得が可能だといいます。 すなわち、その能力を維持すれば、他言語の習得が可能になるわけです。 そこで、彼らはそういう物を「おもちゃ化」して子供に遊ばせ、成長してからでも他言語習得可能な脳に変えるというテクノロジーの開発をしていました。 それを聞いてすごく興味を持ったのですが、インタビューの段階で、彼らは現段階では資金不足で、半年後の投資を受けるために、ゲームが作れる人材を探している状況だったようです。 お金がないということで、辞退も考えたのですが、彼らはもう一つ面白い話をしてきました。 「僕らは人間のリアクションタイムを速くできる」というんです。 彼らはアスリートのリアクションタイムを速くできるテクノロジーも持っていたのですが、まだ駆け出しのスタートアップだったこともあり、現在の投資家に言語分野のみという条件で資金を提供してもらっていたので、その分野は棚上げされていたようです。 しかし、そのテクノロジーにとても興味をもった私は、デモを見せてもらいました。ほんの少し見ただけで心奪われてしまい、「このスポーツの分野を私がリーダーとして無料で手伝わせてもらえませんか」と自分からお願いして、そこから9か月無料で働きました。 それが2年半前のことでしたが、そこからどんどんテクノロジーを開発し、人を増やしていきました。現在は言語分野がKadho AIといって、主に中国をターゲットに英語のE-learning のサービスを提供している部門、スポーツ用テクノロジーを提供しているKadho Sportsを僕が担当させてもらっています。 2015年、このスポーツ部門最初の顧客がアメリカの女子バレーボールチームでした。初めは監督がCo-founderに「問題解決のためあなたたちの力を貸してほしいと」アプローチしてきたのがきっかけでした。 それは、例えばこちらが守備の時、相手チームの攻撃するボールがネットのある程度の位置に来るのを確認してから、選手がブロック等の守備に動いているが、これを予測し、もっと速く対応することはできないか、そして、そのスキルは口ではうまく教えることができないので、どうにかできないかという相談でした。 この問題を解決するのは、私達にとっても大きなチャレンジでした。USAのトッププレーヤーにどううまく伝えるか。ボールの位置を見る前に、リアクションをする、ということをテクノロジーを使って教える、というのが課題となりました。 どのスポーツでも、まず相手の動きを見てからリアクションを取る、身体面が大部分だと思っている方も多いでしょうか、実際に試合の場に立つと、予測がとても重要になってきます。目で見たあと、脳でいろいろなことを考え、分析し、次の行動を決定します。その流れをテクノロジーを通じて、効率を高める、トレーニング力を上げる、ということを提供し、結果として去年女子チームは銅メダルを獲得しました。 その他に、昨年からNCWA(大学野球)2チーム、メジャーリーグ1チームに携わっており、今年はNCWAが約6チームとメジャーが数チーム、バレーボールチームが2チーム、秋からはアメリカンフットボールへの介入が始まります。現在は、バスケットボール、サッカーあとはホッケーチームをターゲットに新規開拓している所です。 -新規取引先を探す時に、具体的にどのようなことをしていますか? 新しい顧客を探すのは本当に大変な作業です。もちろん各団体、協会、チームなどに直接コンタクトもしますが、他には知人、関係先、また有償の紹介サービスを使って紹介してもらったりしています。...