テクノロジーの力で家族コミュニケーションを豊かに – Unifa –

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今年2月24日に行われた「Teckstars x Hipstarters Pitch Event」に登壇し、その後、3月24日にアメリカ・サンフランシスコで開催された「Startup World cup 2017」に日本代表として出場し、見事優勝を手にした「Unifa(ユニファ株式会社)」。 Unifaは『Unify(一つにする)+Family(家族)』の造語で、その名の通り「家族コミュニケーション」を豊かにするプラットフォームの創造に取り組んでいる。今回は東京オフィスの事業管理部部長 森田修平氏にお話しを伺った。

 

Unifaのサービスについて教えてください。

我々は「保育業界」に着目して、保育士と保護者双方に価値をお届けするサービスを提供していきたいと考えております。 昨今の日本の保育業界においては、保育士さんが保育園に就職してもすぐに辞めてしまうという事態が頻発しており、慢性的な人手不足が問題になっています。 一方、家族・子供に焦点を当ててみると「子供の孤立化」が発生しています。というのは、共働き世帯が増えていることで、子供一人当たりにかける時間が減ってきているためです。 その中で、両者の課題解決のために、インターネット写真動画サービス「るくみーフォト」と園内見守り業務のデジタル化支援、すなわち園内のアナログ文化をデジタル化していくことで、「保育士の業務効率化」を支援するサービスを提供しています。 サービスコンセプトとしては、テクノロジーの力で園内業務をサポートし、かつコミュニケーションを豊かにしようというBtoBtoCのビジネスモデルになります。

現在、保育園の大半では依然として、撮影した写真を「壁張り」形式で保護者の方に提供しています。 ただこの壁張りは、保育士にとってとても大変な作業です。デジタルカメラで撮影したデータをPCに取り込み、クラスや子供毎に仕分けを行い、さらに現像手配等も必要になります。 そこで我々は、タブレットで撮った写真が3秒後にはアップロードされるという形で、写真業務を効率化するサービスを提供しています。当社サービスの特徴は、撮影を除けばほぼ全ての写真事務が自動化されるという点にあります。 既存の写真サービスは写真の質に重きを置いており、結婚式などのイベントで派遣されるプロカメラマンにとって受けがいいシステムとなっている一方、私達は「保育業務」に重点をおき、画像認識、撮影アプリの提供、セキュリティの確保等、「保育士が使いやすいサービス」を第一に考えて、サービスを磨いてきました。 保育園側のメリットとしては、写真事務が楽になる他、保護者に対して園内の可視化ができる、またこのサービスを通じ、園にお金が一部入る仕組みとなっています。 また、保護者側も園内写真を通して、家では見ることができない子供の様子を知ることができ、それを通じて家族内のコミュニケーションがより豊かになると思っています。 現在こちらのサービスは、約1,300ヶ所以上の施設にご利用いただいています。

園内写真事務を含め、保育園業界ではアナログ文化が根付いています。例えば園児の一人ずつの体温計測、午睡時間等をノートに記入する。また保護者との連絡帳を書く等、膨大な作業があります。そのような業務をデジタル化にシフトしていくことで、保育士の業務効率化を支援していきたいと考えています。

-起業のきっかけを教えてください。

弊社代表の土岐は、もともと住友商事から外資系コンサルティング会社のローランドベルガー、その後デロイトトーマツコンサルティングを経て起業に至りました。 外資系コンサルティング会社では多忙のため、帰宅が朝方になることも多々あり、家族との時間が取れずにいることに問題を感じていました。 そこで自分の経験を踏まえて、「家族の幸せになるようなサービスを提供したい」ということをテーマに起業を決意したという経緯があります。

私はそのデロイトで一緒のプロジェクトを担当していた時期があり、代表の人柄そしてサービスのコンセプトに共感し、会社設立から約2年後にジョインしました。

―既存のサービス、また競合との差別化のポイントは何ですか。

一つはビジネスモデルだと考えています。 一般的なサービスはBtoBあるいはBtoCの形式が多いと思いますが、我々は主に保護者に課金することで、保育園には廉価でサービスを提供する仕組みを採用しており、これによりまずは保育園・保育士を支援し、そして最終的にエンドユーザーである保護者にも喜んでもらえる、というBtoBtoCのサービスができるということが強みです。

また、ソフトウェアサービスだけではない、ということも特徴です。 最近は保育園向けのソフトウェアサービスが増えていますが、保育園は非常に特殊な業界であるため、現在の状況からすぐにデジタル化に移行するのは少し時間を要すると思います。 そこでその間にIOT、すなわちハードウェアベースでのサービスを介することで、よりソフトウェアサービスに親近感を持って貰うことができると考えています。 弊社が現在提供している園児見守りロボット「MEEBO」はその一例です。

その他、業界の大手販売代理店とも契約を締結しており、相互協力のもと保育園業務のデジタル化支援を行っています。

-今後の展開、また海外への展開について教えてください。


海外へのサービス展開も視野に入れて開発を行っています。 もちろん各国の保育・教育事情により固有の課題はあると思いますが、「子供の安全・安心の追求」や「子供の成長の軌跡を家族皆に提供して楽しんでもらう」といった点は、どの国にも通じる内容だと考えています。 このため、まずは国内で足元を固め、その後、海外へ展開して行く予定です。 実際にシンガポールやオランダ等からサービスの問い合わせ等も受けています。

-過去に投資は受けていますか?また今後、どのような投資家・企業と繋がりたいですか?

過去にはジャフコ、SMBCベンチャーキャピタル、みずほキャピタル、個人投資家から投資及び支援を受けています。弊社ビジョンにおいては、Bに入ってCを満足させなければいけないという2段構えのチャレンジがある一方、子供の教育に関わる分野でもあり、非常に価値ある事業と考えています。 そういう点で、我々のビジョンに共感してくれる投資家・企業と協業していきたいですね。

-森田さんの一日のスケジュールを教えてください。

日によって異なりますが、朝9:00頃に出社し、朝礼を行った上で、1日の業務に取り掛かります。 特に午前中は日頃からお付き合いのある金融機関や取引先、社内でのミーティングが多いですね。 私はバックオフィス系も担当しておりますので、ミーティングや外出以外の時間は資金調達の準備や経理・法務・人事等の仕事に従事しています。 このため、帰宅はだいたい22時位になってしまいますね。

-良く使うアプリを教えてください。

NewsPicksをよく見ています。そこから情報を得たり、刺激を受けたりすることが多いです。

-お気に入りのハングアウト場所はどこですか。

走るのが趣味なのですが、週末は海浜幕張付近で、海を見ながら走ったり散歩したりするのが好きです。

-影響を受けた人を教えてください。

弊社代表の土岐には影響を受けていると思います。 彼の姿を見て、Unifaに入社しようと思いましたし、過去に監査法人のIPO部門で色々なベンチャー企業の経営者を見る機会に恵まれましたが、やはりスタートアップは経営者で決まる要素が多いと思います。 その中で、代表は信頼できる人物であり、物事を「やりきる」という点でとても尊敬をしています。

 

現在の日本では共働き世帯が増えたこともあり、家族の関係が希薄になっていると感じる。 特に父親と子供のコミュニケーションは週末しかないという家庭も多いのではないだろうか。 その中でUnifaは、両親だけでなく祖父母も含めた家族全体に対して、子供の保育園での成長過程を共有し、それをきっかけとして家族の絆を深める手助けをするために、今後もどんどん価値あるサービスを広げて行く。

Unifa

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